まれに見るバカ

誰かのことではなく本のタイトルです。念のため。

「なんとおまえたちはバカなやつらであることか!」人の世に一定程度のバカがいるのは常識である。「浜の真砂はつきるとも、世にバカの種はつきまじ」と。しかし、そうは知りつつも、平成の世にわが日本につぎつぎとバカが異常発生している驚くべき事態をいったいどう考えればいいのか。性別も年齢も、収入も地位も関係がない。さらには有名人・無名人も問わない。なぜ、こうした事態がこの国に出現したのか?」
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開口一番のこのくだりにやられて借りました。Mさんから。
本書はいわゆる公共の場で怒鳴り散らしたりといった解りやすい全身”バカ”だけでなく、普通に振舞っていても潜んでいて時折見え隠れするような”バカ”も見逃してくれません。ここがバカ網羅本たるところ(らしいです)。
筆者が自分は”バカ”ではない視点から語っていることを何度も確認する文章が出てくることからも判りますが、それもそのはず、”バカ”でない人が書いていると思わないとその説得力、醍醐味が失われてしまうから。鋭い切り込み方、かつその毒舌振りがたまりません。かく言う自分も”バカ”に思い当たる節が見つかったりして、読んでて居心地が悪い気分になる章もありましたが・・。ぜひ自分のことを(内心)バカじゃないと思ってる人にこそ読んで欲しい一冊です。ちなみに”バカ”支持派の人もいると思いますが、著者は世の中的に良い意味で使われるバカも、悪い意味で使われるバカも双方考慮した上でバサバサ切っていきますので逃げ場はありません。悪しからず。


■今日の読了:まれに見るバカ ★★★★☆

まれに見るバカ (新書y)

まれに見るバカ (新書y)